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栄養医学と繊維筋痛症の可能性―「見えない痛み」を分子レベルから読み解く ―

■ 繊維筋痛症とは

繊維筋痛症(Fibromyalgia)は、全身に広がる慢性的な筋肉痛や倦怠感、睡眠障害、集中力低下などを特徴とする疾患です。日本では推定200万人以上が罹患しているとされ、特に女性に多い傾向があります。
しかし、その原因はいまだ明確には解明されていません。脳の痛み伝達異常、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、栄養欠乏など、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。


■ 栄養医学から見る繊維筋痛症

分子栄養学(オーソモレキュラー医学)は、「身体は食べたものでできている」という原則に基づき、血液検査によって細胞レベルの栄養状態を把握し、原因にアプローチする医療です。
繊維筋痛症では、次のような栄養状態の乱れが指摘されています。

● ミトコンドリア機能低下

疲労や痛みの背景にあるのが「エネルギー産生低下」です。ミトコンドリアはATP(細胞のエネルギー源)を作る場所ですが、ビタミンB群・マグネシウム・鉄・コエンザイムQ10などが不足するとエネルギー代謝が低下し、筋肉や神経の修復が滞ります。

● 鉄・フェリチン不足

鉄は酸素運搬だけでなく、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の合成にも不可欠です。フェリチン(貯蔵鉄)が低下すると、慢性的な倦怠感・抑うつ・睡眠障害が起きやすくなります。
Greeus® Longevity 7 Scores の「鉄貧血スコア」は、このフェリチン値を重視して解析します。

● 炎症・酸化ストレス

慢性炎症は、痛みの閾値を下げ、神経過敏を引き起こすことが知られています。血液検査ではAST・ALT・γ-GTPなどの肝酵素、CRP、尿酸値などが炎症・酸化の指標になります。抗酸化ビタミン(A・C・E)やオメガ3脂肪酸の不足も、炎症を長引かせる要因です。


■ カンナビノイドと栄養医学の融合

最新の研究では、**エンドカンナビノイドシステム(ECS)**のバランスが痛みや炎症の調節に関与していることがわかっています。CBDやCBN、CBGなどのカンナビノイドは、神経系の過剰な興奮を抑え、筋肉のこわばりや睡眠の質を改善する可能性があります。
栄養補正とECS調整を同時に行うことで、「痛みの閾値を上げ、回復の基礎代謝を取り戻す」ことができると考えられます。


■ Greeus®が目指すアプローチ

Greeus®では、血液検査15項目とAIによる「Longevity 7 Scores」を通じて、栄養・代謝・炎症・鉄代謝などのデータを数値化。谷口容子医師による栄養・分子整合的カウンセリングと、CBD/CBG/CBNの臨床知見を組み合わせ、**“痛みと疲労の根本解決”**を目指しています。


■ まとめ

繊維筋痛症は「心因性」と片付けられがちですが、栄養状態・炎症・ミトコンドリア機能など、体内のバイオケミカルな異常が深く関わっています。
痛みを“感じなくする”治療ではなく、“痛みが起こりにくい身体”を作る栄養医学。
それが、Greeus®が提案する新しいウェルネス医療のかたちです。

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