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デュアルユースという選択—— いま、スタートアップが向き合うべき設計思想

近年、「デュアルユース(Dual-use)」という言葉が、
防衛・安全保障・災害対応の文脈で語られるようになりました。

しかし私たちは、この言葉を
**“用途の話”ではなく、“設計思想の話”**として捉えています。


デュアルユースとは「転用」ではない

よくある誤解は、こうです。

民間向けに作った技術を、
後から防衛にも転用すること。

これは、私たちの考えるデュアルユースではありません。

本来のデュアルユースとは、

  • 最初から
  • 意図的に
  • 両方に耐える設計をしていること

です。


なぜ今、デュアルユースが必要なのか

日本は今、静かにいくつかの前提を失いつつあります。

  • 通信は常に安定している
  • 人は常に見守られている
  • 異常はすぐに検知できる
  • 判断は正確に下される

災害、事故、パンデミック、地政学的緊張。
これらはすべて、「平時と有事の境界」を曖昧にしました。

だから今、問われているのは、

平時の技術が、有事でも壊れないか

という一点です。


防衛のためだけの技術は、広がらない

一方で、防衛“専用”の技術は、社会に広がりにくいという現実もあります。

  • 導入先が限られる
  • 検証の場が少ない
  • 利用者が限定される

結果として、

  • 改善されない
  • 現場に根付かない
  • 実効性を持たない

という課題を抱えがちです。


平時に使われ、有事にも耐える

私たちが目指すのは、その逆です。

  • 平時に、普通に使われている
  • 便利だが、依存しすぎない
  • 何も起きなければ、静かに存在する

それでいて、

  • 通信が切れても動く
  • 中央がなくても成立する
  • 人の判断を奪わない
  • 誰かを孤立させない

この条件を満たすとき、
技術は自然とデュアルユースになります。


スタートアップだからこそ、できる設計

デュアルユースは、
大規模資本や巨大組織だけのものではありません。

むしろ、

  • 何を作らないかを決められる
  • 責任の置き場所を設計できる
  • 初期思想を貫ける

スタートアップだからこそ、可能な領域です。

重要なのは、

  • 機能を盛ることではなく
  • 判断を自動化することでもなく

「人が判断する余白」を残すこと


GreeusAI™の立場

私たちは、
防衛専用の技術を作っているわけではありません。

しかし、

防衛に使えない設計は、最初から採用していません。

それは、

  • 人命
  • 孤立
  • 判断
  • レジリエンス

といったテーマが、
平時と有事で切り替えられるものではないからです。


デュアルユースは、思想である

デュアルユースは、
あとから名乗る肩書きではありません。

  • どういう前提で作るのか
  • 誰に責任を残すのか
  • 壊れたとき、何を守るのか

これらを最初に決めること

それが、デュアルユースです。


最後に

私たちは、
「防衛」という言葉を安易に使いません。

同時に、
防衛を避ける設計もしません。

平時の延長線上に、有事がある。
日常の延長線上に、判断の瞬間がある。

そう信じて、
私たちはこの設計を続けています。

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